屍人荘の殺人
映画『屍人荘の殺人』は、国内主要ミステリー賞4冠を達成した今村昌弘のデビュー作「屍人荘の殺人」を実写化したものです。
ちなみに読み方は「しじんそうのさつじん」です。屍人荘だなんて不穏な空気が漂ってますね。
神木隆之介、浜辺美波、中村倫也が出演していて「絵面がきれいすぎる!目の保養!」と思って鑑賞しました。
原作は読んでいない状態での感想です。
最後まで展開が読めなくて物語にすごく引き込まれましたが、本格的なミステリーを期待していたので少し肩透かしを食らいました。
中村倫也目当てで見た人はちょっとかわいそうかも。
主要人物なのに後半はほとんど出番ないです。
映画『屍人荘の殺人』主要人物
葉村 譲(神木 隆之介)
本作の主人公。神紅大学のミステリー愛好会所属。
ミステリー小説オタクなのに推理が当たったことがない。子どもの頃についたあだ名は”迷宮太郎”。
明智 恭介とは「ホームズ」と「ワトソン」の仲。
物語前半は自称探偵の明智に振り回され、後半は難事件をいくつも解決に導いた探偵少女・比留子に振り回される。
神木くんは、優しくてちょっと頼りない平凡な男子を演じさせたらピカイチだと思う。
剣崎 比留子(浜辺 美波)
神紅大学に通う美人女子大生。うどんが好き。
警察が手を焼く難事件をいくつも解決した実績を持つ。
ロックフェス研究会合宿への参加を葉村と明智に持ち掛ける。
白目を向いて口を開けて寝る。
頭に大きなリボンのカチューシャをつけて、横綱の土俵入り(雲竜型)を披露。
どんなシーンでも、浜辺美波が画面に映るだけで画力が凄い。
明智 恭介(中村 倫也)
神紅大学7回生くらい。
ミステリー愛好会会長。(ミステリー愛好会は明智と葉村の2人だけ)
学内で起こるちょっとした事件に首を突っ込み、解決したりしなかったり。
中盤の「事件はまだ起きていないのに犯人がわかった」という推理が最後の最後に効いてくる。
あのコミカルなキャラ設定が、中村倫也と絶妙にマッチしてました。
あらすじ(結末ネタバレなし)
葉村と明智は大学での試験問題の盗難事件を無理矢理調査中、比留子と出会う。
事件は比留子の的確な推理をヒントに、明智が横取りした形で解決した。
喫茶店にて、葉村と明智は比留子からロックフェス研究会合宿への参加を持ち掛けられる。
部員宛てに脅迫状が届いていることや、昨年の参加者の中に行方不明となった女子学生がいることを聞き、比留子と一緒に参加することになった葉村と明智。
3人は合宿場所であるペンション紫湛荘(しじんそう)へ到着し、合宿参加者たちとバーベキューをするが、親睦を深めるためのものではなく、そこはOBの七宮 兼光(柄本時生)と立浪 波流也(古川雄輝)が女子学生を物色するための場だった。
その後、近くで行われているロックフェスへ参加中、フェス会場である異変が起こる。
ペンション紫湛荘での立てこもりを余儀なくされるが、そのペンション内で殺人事件が発生し・・・
『屍人荘の殺人』感想(ネタバレあり)
ネタバレなしで感想書くの難しいですこの映画。
核心に触れない程度にネタバレしてます。
斬新!ミステリー×〇〇〇
『屍人荘の殺人』というタイトルから、「人里離れた別荘で殺人事件が起こり、助けを呼ぼうとするも携帯は圏外、電話線は切断され土砂崩れかなんかで道路も寸断」というよくあるミステリーを想像してました。
全然違ったよねー!
ゾンビ映画です!ミステリー×ゾンビ。
ミステリーなのに、ゾンビ映画並みにゾンビが出てきます。
そうか、だから”屍人荘”なんだ。タイトルにヒントあったわ。
ゾンビとかホラー映画は苦手なので、知ってたら見なかったかも。
でも、ゾンビを倒す際の描写は、血がブシュー!が苦手な人にも最大限配慮されていました。
ミステリーとゾンビのコラボレーションは斬新で先が読めなくて、これはこれで楽しめました。
欲を言えば、もう少しミステリー要素が強いほうがよかったな。
ミステリーを期待していたので。
モヤモヤポイントは2つ
殺人事件は無事に解決しますが、モヤモヤが2つ残りました。
モヤモヤ①ゾンビウイルス事件は未解決
殺人事件は犯人が判明しますが、ゾンビウイルスを撒き散らした犯人については触れられていません。
犯人は複数いるような描写があったので、何らかの組織が作ったゾンビウイルスを使ったテロのようなものというところまでは想像できます。
でも、誰が何のために?
原作では触れられているみたいですが、映画でも触れてほしかった。
モヤモヤ②主要人物を死なせる必要ある?
私の浅い考えだと、「ゾンビ映画では主要人物は絶対死なないの法則」を打ち破りたかったのかなと思いましたが、それでもやっぱり明智には生きててほしかった。
すごくいいキャラだもん。見ていて気持ちのいいキャラ。
そんな明智を死なせる必要ある?
明智は実は運良くゾンビに噛まれなくて、ゾンビだらけの中で助かるためにゾンビに化けていたんだなって、明智が最後に登場したとき一瞬喜んだのに。
比留子が槍で一突きして絶命しました。
やっぱりゾンビ化してたのね。
原作では続編があって、葉村と比留子のコンビで新たな事件を解決するみたいなので、明智の死は必須だったのかな。悲しい。
『屍人荘の殺人』主題歌 Perfume「再生」
比留子が明智ゾンビにとどめを刺し、「あげない。彼は私のワトソンだ。」のセリフ直後に流れるこの曲。
後味の悪いラストにPerfumeのこの曲を持ってくることで、一瞬で映画全体がポップな印象になりました。
明智は死んじゃうし比留子のラストのセリフは狂気だし、殺伐とした心が一瞬で
「再生 再生 再生成」!
浜辺美波 出演の映画「君の膵臓をたべたい」の感想も書いてます。
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