松尾由美による同名小説の実写映画。
原作は未読です。
九月の恋と出会うまで
タイムパラドックスがテーマのラブストーリー。
現在と過去を行き来するわけではないので、なんというか・・・忙しくないので最初から最後まで、ほのぼのと見ることができました。
大人の恋愛なので暑苦しさもなく、アラサーにはちょうどいいです。
結末はだいたい予測できたけど、それでも「2人ともよかったねぇ」って心から思えるような、あたたかい気持ちになる映画です。
『九月の恋と出会うまで』主要人物とキャスト
北村志織(川口春奈)
旅行代理店に勤めるOL。カメラが趣味。
劇団員や音楽家など、芸術家たちが住むマンションに引っ越してきた。
噴水に入ってしまったボールを他所の子のために取ってあげたり、正体不明の声の指示に従ったり、素直な性格のカメラ女子。
川口春奈はキツイ性格の役が似合うと思ってたけど、志織みたいな真面目で素直な可愛らしい女性の役も似合うんですね。
かわいかった。
平野進(高橋一生)
小説家を目指しているサラリーマン。
志織の隣人だが、マンションの住人とはあまり交流がない。
寝ぐせがついたまま会社行ったり、1人でパフェ食べたり、目を合わさずにボソボソ早口で喋ったり、自覚なしに母性本能をくすぐるタイプ。
少年のまま大人になったような感じが、ベビーフェイスの高橋一生とすごくマッチしてました。
それでいてあの低い声もいいです。
『九月の恋と出会うまで』あらすじ(ネタバレなし)
主人公・北村志織は、芸術家たちが住むマンションに引っ越してきた。
新しい部屋にも慣れてきたある日、エアコン用の壁の穴から突然声が聞こえてきた。
声の主は一年後の未来にいて、自分を助けてほしいと志織にあるお願いをする。
それは隣人の平野を尾行するというものだった。
志織が尾行を終えて帰宅すると、部屋が空き巣に荒らされていた。
その日から未来からの声が聞こえなくなる。
未来からの声について志織から相談された平野は、未来からの声をシラノと名付ける。
平野は、シラノは志織が空き巣の犯人と鉢合わせするのを防ぐために尾行させたと考えた。
ここで矛盾〈タイムパラドックス〉がうまれてしまったことに気づく平野。
空き巣に殺害されるはずだった志織が生きていることで、1年後、シラノは志織を助ける必要がなくなる。
すると今生きている志織そのものが矛盾した存在になる。
それは1年後、志織の存在が消滅することを意味していたーーー
シラノに過去の志織を救ってもらうため、シラノの正体を探る志織と平野。
手がかりが何も掴めないまま時が過ぎ、志織はある決断をする。
『九月の恋と出会うまで』感想(ネタバレあり)
シラノの正体についてネタバレありです。
ラブストーリーとSFの絶妙なバランス
志織がとあるマンションに引っ越してきたところから物語が始まります。
まず、マンションがオシャレよね。
外観といい、庭といい、部屋といい、素敵すぎるマンション。
家賃が気になる。
旅行代理店の20代OLに払える範囲だから…高くても10万円くらい?
とか、ストーリーと全く関係ないことをぐるぐる考えてました。
それくらいオシャレです。
そんなオシャレなマンションで隣人と恋愛だなんて、さらに憧れる。
こんな少女漫画のような設定だけど、志織と平野は最後の最後でようやく想いが通じます。
そのため、物語の主軸が恋愛じゃなくてタイムパラドックスになるので、ラブストーリーとSFがちょうどいいバランスになってました。
2人の恋の行方よりも、シラノの正体のほうが気になったもんね。
平野とシラノの声が違う問題について
結局シラノの正体は平野だったわけですが、声、違くない?
志織も声が違うって言ってたけど、それについては触れられずにハッピーエンドで終わってしまいました。
やっぱり最初のシラノは学生時代の元彼?
元彼がシラノだとすると、エアコンの穴が1年前の志織の部屋と繋がっているってどうやって知ったのか謎。
もやもやするので原作をチラリと確認してみました。
原作では、平野は花粉症で声がかすれていたから声が違ったということになっていました。
あーなるほど。
なんで映画ではこの部分カットされてしまったんだろ。
一言説明してくれれば納得したのに。
あと、「町でいちばんのレストランに連れていく」発言。
これは元彼とシラノが偶然同じような言い回しをしたってことだよね?
言い回しが古すぎるけど、こんなセリフで食事に誘われてときめく女子おるんか?
『九月の恋と出会うまで』主題歌「Koi」androp
andropの曲をちゃんと聞いたのは今回が初めて。
やわらかくて優しい歌声です。
君が遠くに行ってしまって
作詞・作曲 Takahito Uchisawa 「Koi」androp
もう会えないとわかっていたって
僕は探すよ
君の姿を
歌詞が映画のストーリーとシンクロしていて、エンドロールで涙がにじみました。
志織が転勤でマンションを出ていったあとの平野の心情が、この主題歌が流れるエンドロールで補足された感じ。
本当に最後の最後まで心がじんわりあたたまる映画でした。
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